秘密の★オトナのお勉強①



「あたしもそろそろ、強くならなきゃ…」



「俺は別に、そんな大した事はしてへんのやけどな」



「ううん。少なくとも、あたしは感謝してるよ」




微笑みながら呟くと、隼人はどこか嬉しそうに笑う。


隼人は笑っている方が、絶対お似合いだよ。


そんな事を感じながら隼人から撮影中の舞台に目線を移すと、そこには誰も居なくて。



…撮影終わったのかな?

そんな考えが口から出て行く前に、あたしの視界は、見慣れた狼でいっぱいになった。




「…貞永」



「休憩だってよあゆ。水くれ」



「はい、どーぞ!」




あたしは慣れた手付きで水を取り出すと、貞永に手渡す。


そんなあたし達のやり取りを、隼人は優しい目付きで見ていた。




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