秘密の★オトナのお勉強①
冬馬は佐田さんの慌てぶりに気が付く事なく、あたしに話を振ってくる。
「そっか!二人は友達になったからお喋りしてるのかぁ!」
「そ…そうよ!だから冬馬、ちょっと退いてくれるかなぁ…?」
「あ、ゴメンね。蘭、午後から蘭のシーンだから準備しておいてね」
苦し紛れにごまかした事を冬馬は気付くはずもなく、颯爽とあたし達の元を去っていった。
再び二人きりになった世界。
あたしはニヤッと笑うと、日頃の鬱憤を晴らすかのように激しく追及し始めた。
「佐田さん、冬馬が好きなんですよね!」
「…ちょ、大声で言わないで―――」
「で、冬馬にこの事がバレたくなくて、ずっと貞永を好きなフリをしていたと」
真っ赤になった佐田さんは、恥ずかしさを抑えるように手で顔を隠す。
そして、控え目にコクン…と頷いた。
もしかして…
既に佐田さんは、裏のスイッチが入ってたり…する?
.