秘密の★オトナのお勉強①



「トイレ行ってきますぅーっ…!」



「え」




佐田さんは手で顔を隠したまま、トイレへと全力疾走し始めた。


どうやらあたしの予想通り、裏の人格が出てきてしまったらしい。



…思い返せば、最近は冬馬と佐田さんが一緒に居るという事が多かった。


佐田さんが貞永の事を好きだった時は、貞永にベッタリしすぎたせいで、冬馬と二人きりという所をあまり見なかったんだけど…。



やっぱり人を好きになると、行動に出るんだね。




「…うふふ」



「あゆ、キモイぞお前」




無意識に口から出ていた歓喜の声を、誰かに聞かれてしまった。


そっと現実の世界へと戻っていくと…




「さ…貞永…」



「そこ、そんなに驚く所かよ」




すっかり呆れかえった様子の、貞永が居た。




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