秘密の★オトナのお勉強①
04★__また逢える日まで
騒がしい着信が鳴り響くあたしの部屋。
ちょうど洋服に着替え終わったあたしは、ゆっくりとケータイを手に取り、耳に当てた。
「もしもし…?」
「あ、姉ちゃん?俺、猛」
電話主の正体は、猛。
メジャーデビューのお祝いから会う事はおろか、電話すらもしていなかったあたし達。
近いようで遠い距離を保っていたあたし達は、猛の電話によって一気に引き寄せられる。
「元気?デビューの準備で忙しそうだね」
「まあな」
「で、今日はどうしたの?」
あたしから猛に電話を掛ける事はあっても、猛からあたしへは滅多にない。
あるとしたら、何か重要な用件がある時だけだ。
猛の息遣いが聞こえてきた瞬間、少しだけ真面目な口調であたしに問いかけてきた。
.