秘密の★オトナのお勉強①



必死に唇を噛む。


次々ととめどなく溢れる涙に、あたしは瞳をギュッと閉じる。



猛にこんな情けない姿、見られたくなかった。


弟とは言え、こんな姿を見られる事には抵抗がある。



…弱い、と感じられたくなかった。




「姉ちゃん…」



「………」



「姉ちゃんはもう、光輝くんの「マネージャー」なんかじゃねぇよ?」



「へ…?」




言っている意味が分からなくて、あたしは咄嗟に顔を上げる。


涙でクシャクシャになっているあたしの顔を見て、猛は妖しくニヤッと笑った。




「よく考えろよ?光輝くんがハリウッドに出発するって事は、姉ちゃんは光輝くんの「マネージャー」なんかじゃなくなるんだよ」




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