秘密の★オトナのお勉強①
ゆっくりとお互いの身体を離していく。
少し名残惜しかったけど…もうすぐ貞永は出発しなければいけないのだから、しょうがない。
忙しなく過ぎていく時間を、あたしは初めて恨んだ。
「絶対ビッグになって帰ってくる。だから浮気すんなよ?」
「貞永…」
「だから寂しがり屋のあゆに、ひとつ宿題をやるよ」
…宿、題?
疑問の表情を訴えかけるあたしを見て、貞永はいつものように意地悪く笑った。
「俺が帰ってくるまでに答えが分かったら、いくらでもあゆの望みを叶えてやる」
「へ…?」
「でもあゆが解けてなかったら、俺の願いを聞いてもらうからな?」
次の瞬間、貞永の唇があたしの耳に移動して、
「―――よ?」
「えぇっ…!?」
その宿題ってヤツが、あたしの耳元で囁かれた。
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