秘密の★オトナのお勉強①
赤くなっていく顔と貞永の息遣いが残っている耳。
一体どっちを隠せばいいのかあたふたするあたし。
「ちょ…さだな…!」
「という訳だから。じゃ、またな」
満足そうにニッコリと微笑んだ貞永は、あたしに向かって手を振り上げると、搭乗口に向かって行く。
貞永の姿が見えなくなると同時に、後ろから猛の声がした。
「姉ちゃんどうだった…?って、何があったんだよ!?」
「へ…?」
猛にまじまじと見つめられたあたしは、恥ずかしくなって顔を背ける。
…弟に、こんな恥ずかしい所を見せたくなかったよっ!
こんな顔になっているのも、貞永のせいだ!
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