秘密の★オトナのお勉強①



「派手にやったね」




俯いていたあたしの顔を、大きな掌が覆い隠した。


その温もりは、光輝のモノではなかったけど…なんだか安心出来た。




「あゆは、周りをしっかり見て行動しないと。すっかり有名人になっちゃったよ?」



「…冬馬」




あたしの元に駆けつけてくれたのは…冬馬だった。


冬馬はしっかりとあたしの目元を隠したまま、光輝のクラスからあたしを移動させてくれた。



…目元を隠してくれたのは、あたしが負けず嫌いという事を誰よりも理解してくれていたから。


友達にしか出来ない行為だった。




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