秘密の★オトナのお勉強①
「今の腫れた目じゃまともに授業も受けれないし、しばらくここで休憩しようよ」
「…本当にありがとう、冬馬」
やっと泣き終わった頃には、とっくに授業は始まっていた。
散っていく桜が、どうしようもなく愛しい。
「…桜って、なんであんなに儚いんだろうね」
「どうしてそう思うの?」
「だって綺麗な花を咲かすのに、すぐに散っちゃうじゃん。それって可哀想だと思わない?」
腫れた目で冬馬を見ると、首を横に振っていた。
「…俺は可哀想なんて思わないよ」
「なんで…?」
あたしが首を傾げると、冬馬はゆっくりと口を開いた。
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