秘密の★オトナのお勉強①
貞永の指摘する考え事が、あたし達の「過去」だったから、無駄に昔のネタには反応してしまう。
…こんな所があたしの悪い癖だ。
「貞永はあたしの事嫌いじゃないの?」
「は…?」
困惑の表情を浮かべる貞永に、あたしは思わずハッとした。
…あたし、今なんて言おうとした?
「なっなんでもない!」
あたしは首を大げさに横に振ると、ハンドルを握り直してアクセルを踏んだ。
…忘れなきゃ。
こんな事聞いたら、また貞永との関係が壊れちゃう!
時間が経ってやっと元通りになった関係なんだから、壊さないようにしないと。
今度は仕事のパートナーなんだから。
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