秘密の★オトナのお勉強①
あたしは貞永の手をバチン!と払い退ける。
貞永は何だか不服そう。
「いつも思うけど…あゆってやっぱガード固ぇよな」
「あたしは好きな人にしか心を開かない人だから」
時計を確認しながら、あたしはアクセルを踏む力を強める。
「…じゃ、俺にも開いてくれてたんだろ?」
「昔はね」
「今は開いてくれねーの?」
「好きじゃないもん」
淡々と進んでいく会話に、貞永はフッと笑った。
そして、貞永の右手がまたあたしの太ももを襲い始める。
「ちょ…今運転中…!」
「あら?あゆは好きな人にしか心を開かないんじゃなかったっけ?」
ニヤっと笑う貞永は、やっぱり狼そのもの。
あたしは顔を真っ赤にしながら反論した。
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