秘密の★オトナのお勉強①
映画の関係者に偶然遭遇したあたし達は、控え室へと案内してもらった。
あたしは荷物を置いて、うーんと背伸びをする。
「あゆ、共演者の所に挨拶行こうぜ」
「分かった!」
貞永の言葉を聞いたあたしは、急いでカバンから名刺を取り出す。
この間作った、おニューの名刺だ。
「そんなに自分の名刺がある事が嬉しいのかよ」
「当たり前じゃない!仕事してるって気分になるもん!」
あたしはニコニコ笑顔で貞永に答える。
…貞永は、すごく偉いと思う。
今や主演ばかりの売れっ子俳優なのに、先輩俳優だけでなく、後輩やスタッフにまで自分からちゃんと挨拶しに行くんだから。
そういう礼儀正しい所が、俳優として成功してるんだろう。
…変態的な貞永はどこへやらってカンジだけど。
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