秘密の★オトナのお勉強①
あたしは貞永を引っ張りながら、佐田さんの控え室へと急ぐ。
製作発表が始まるまでには、何とか挨拶を終わらせないと!
急ぎ足で佐田さんの控え室に到着すると、貞永は優しくドアをノックする。
「すいません、貞永です」
すっかり俳優モードに入っている貞永の声に対して、楽屋の中からは返事すら聞こえない。
あたしと貞永は目を見合わせた。
「…いないのかな?」
「もうすぐ製作発表が始まるのに?」
…確かに。
貞永の言っている事は正しいかも。
だけど…
「きっとトイレとかに行ってるんだよ!」
今のあたしは、ただ直感的にそう思っていた。
.