秘密の★オトナのお勉強①

こんなに焦っている猛の声は、生まれて初めて聞いた気がする。




「…姉ちゃん大変だって！」



「だから…何が？」



「母さんが倒れてるんだけど！」



「はぁっ…！？」




あたしは驚いてケータイを落としそうになる。


…お母さんは別にあたしの就職に驚いて声が出なくなった訳じゃなくて、ただ単に倒れてただけって事！？




「というか、大丈夫なのお母さんは！」



「分かんねぇけど…なんか独り言が聞こえる…」



「なんて言ってるの？」




あたしの言葉に、猛がお母さんの方に受話器を近づけた。




「…あゆが…うちのあゆが…」




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