秘密の★オトナのお勉強①



「…あんのバカ貞永!」




製作発表直前というのに、あの余裕さ。

それに振り回されるあたし。


急に悔しさが襲ってきて、立ち止まったまま地団駄を踏んだ。



…キーッ!

あの変態狼、絶対にいつか見返してやるんだから!


あたしだって、貞永くらい手のひらで転がせられるわよ!


絶対に、あたしはアイツを許してなんかやらない!

そして、さっきの続きなんかやらせない!



そう心に強く誓った瞬間、あたしの真後ろから何か気配を感じた。




冷静に考えてみる。

ここはまだ佐田さんの控え室の前で、そんな中大人気(おとなげ)なく地団駄を踏んでいたあたし。


急にその事実が恥ずかしくなってきて、あたしは慌てながら後ろを振り向いた。




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