秘密の★オトナのお勉強①



そこには、艶やかな長い黒髪をなびかせている女性の姿があった。


あまりの美しさに、思わず口から言葉が出て行ってしまう。




「…佐田蘭、さん…」



「あの…どちら様でしょうか?」




困惑する佐田さんの声に、あたしは我に戻る。


そっか。

あたしが佐田さんの事を知っていても、佐田さんはあたしの事を知らないのか。


佐田さんは有名女優だもんね。




「失礼しました。あたしは貞永光輝のマネージャーを担当しております、中森と申します」




綺麗にお辞儀をすると、名刺を佐田さんに差し出す。


これであたしのイメージはバッチリね!

…という考えは、次の瞬間あっさりと消えていった。




.
< 92 / 416 >

この作品をシェア

pagetop