秘密の★オトナのお勉強①



あたしはそれでも負けじと反論する事に決めた。


状況がよく掴めていないけど、あたしの心の中には何故か負けたくないという気持ちが生まれていた。




「なんですか?あたしが貞永のマネージャーじゃ不満ですか?」



「不満…と言われればそうかもね」




フッと笑みを零す姿は、なんだか貞永とも似ている気がして。


その事もあってか、余計にあたしは腹立たしい気持ちになっていた。




「あたしはまだまだ新人で、売れっ子俳優の貞永をサポートするにはまだまだ力量不足です。その事は充分承知しています。でも―――」




…言葉の続きが言えなかった。


佐田さんが、あたしを恐ろしいほどの冷たさで見下ろしてきたんだから。


顔に表情がない。

この言葉が、今の佐田さんにはピッタリだ。




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