秘密の★オトナのお勉強①
…だけど。
「残念だけど、もう時間なのよね」
身に着けている腕時計を見ながら、勝ち誇ったように佐田さんが呟いた。
その顔付きは貞永と同じく、「女優」としてのものに変わっていて。
「これから長い付き合いになるんだから、嫌って程思い知らされる事となるわよ」
「…佐田さん」
「しっかり現実と向き合ってくださいね?新人マネージャーさん」
ニコリと笑うと、佐田さんはコツコツとハイヒールの音を響かせながらあたしの前から去っていった。
静まり返った廊下で、あたしは口があんぐりと開いたまま。
…あの人、一体何者!?
あたしはこれから迎えるであろう波乱を想像しながら、顔を硬くさせていた。
.