恋☆STORM
篠原「 ヨーコ、
明日のライブ、見においでよ。
横浜だから近いでしょ?」
追加のビールを飲みながら、
シノが私に聞く。
私の隣で青ちゃんが
「 うん、うん、来い、来い 」
と言わんばかりに深くうなずいてみせる。
私 「 行きたいんだけどねぇー…。
私、明日から仕事なんだよ。
残念!」
亮 「 アンタ、
いつになったら
オレらのライブ見に来んの? 」
私 「 良いよ、別に…。
ライブのDVD出るんでしょ?
私、ライブはDVD派なんで。」
篠原 「 何だ? それ
テンション下がるじゃねーかよ! 」
毎年アリーナでLiveをやってるけど、
まだ一度も行けてない私。
行けてない?
……違う、私、わざと行かずにいる。
毎日のように会ってるみんなが、
スポットライトを浴びてる姿を見るのが、
ちょっと怖いから。
前にTVで
【STORM】のライブ映像を
偶然見て思ったんだ。
メンバーみんな、
普通に私の大事な友達。
みんな普通の男の子なのに、
何千人もの女の子達が彼らを見つめ、
そして、
声を枯らして声援を送ってる。
それって、
なんか、
私にとっては、ちょっと不思議な光景で。
そして、
その声援の中にいる青ちゃんを見ると、
青ちゃんが私とは掛け離れた、
遠い… 遠い… 存在に思えてくる。
そんな気持ちを、
どうコントロールして良いかワカラナイから…
だからLiveには行かないんだ。
なんとなく、ずっと、そう決めてる。