一生一緒
「何があったか聞くから店終わるまで待ってて。」
楓は耳元で囁いた。
周りの目なんか気にしてないみたいだ。
「分かった。
でも歩卓につけて。
ヘルプ指名ね。」
楓から体を離した。
「分かった。
呼んでくる。」
楓はあたしの目を見ないまま歩を呼びに行った。
ヘルプ指名したのは初めてだ。
だから楓怒ったかな。
もう完全に涙は出てこなくなった。
「鈴ちゃん・・・。」
歩が卓に戻って来た。
楓はあたしの隣に座りあたしの手を握った。
「鈴を抱きしめて客が怒ってるからちょっと行ってくる。」
「うん。」
楓はあたしの頬にキスをしてキャバ嬢のとこに戻って行った。