僕の街には今日も雨(涙)が降る…。
「二人ともラブラブだなぁ。」
「見てるこっちは冷や冷やしたけどね。」
「見てたんかい。」

 零と純に対し、優都は冷たく…いや、クールにと言った方が無難だろうか?
優都はクールに対応した。

「だってどうなるのか展開が気になったんだもん♪」
「もう~、それで?」
「時間だよ、って言いに来たの。」

 李麻の言葉を聞いて、飛夏羽からは笑顔が消えた。

「…そっか…」

 優都は立ち上がって玄関の方に歩き出した。

 どんどん小さく見えてくる優都の背中を追い駆け、飛夏羽は後ろから優都に抱
きついた。

「…行かないで…行かないで優都…」

 優都は飛夏羽の手を掴み、そっと飛夏羽を引き離した。

「…大丈夫だから。行って来るね。」
「優都…」

 追い駆けようとする飛夏羽を零が止めた。

「緒方君!?」
「飛夏羽ちゃんは…優都の事信じてるんだろ?だったら俺達は優都を応援してや
ろうぜ。」

 飛夏羽は少ししてから頷いた。

「見てるだけでも辛いけど…でも、タイマンだからさ。それに優都君は…強い
じゃん。」
「…そうだね。」

 そして、優都が公園に着くと全員が集まっていた。

 だが、よく見ると竜牙の姿が見当たらない。
一体竜牙は何所に行ったのだろう?

「やっと来たか…一人か?」
「あぁ。」

 翔太は銜えていた煙草を地面に捨て、それを足で踏ん付けた。

「お前もこんな風にしてやるから…覚悟しておけよ。」

 笑いながらこっちを見る翔太を、優都は睨み返した。

「おいおい、飛夏羽ちゃん置いてきちゃったのかよ。」
「…飛夏羽は…」

 『絶対に渡す気はない。』そう言い掛けた途端、後ろから声が聞こえた。

「何でお前等だけそんなに居て優都は一人なんだよ!」

 優都は振り向いて声のする方を見た。

「…零君…純…李麻ちゃん…飛夏羽?」
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