僕の街には今日も雨(涙)が降る…。
 優都の振り向いた先には優都の率いるメンバーが立っていた。
しかし、決して優都は自分の事をボスだとは思っていないのだが。

 笑顔で自分を見つめる仲間達を見て、ただ優都は目に涙を浮かべて見つめる
事しか出来なかった。

「友達の事、見捨てる訳ないでしょ?」
「今まで見捨ててたじゃん。」

 李麻の鋭い突っ込みに、零と純は心を痛めていた。

「ま、まぁまぁ…そこらへんは…ねっ?」

 飛夏羽は李麻の突込みを抑えるようにして言った。

「まぁね。優都!あんた…一人じゃないんだからさ。」
「…うんっ。」

飛夏羽も優しく頷いた。

 このとき、優都の後ろに翔太が来ていた。
翔太は優都が振り向くのと同時に優都の腹を蹴り飛ばした。

「…うっ…」
「随分と嘘吐くのが上手いんだな。」

 翔太はにやけながらもう一度優都を蹴り飛ばした。

「優都!」

 飛夏羽は何も言わずにやられ続ける優都を見て、胸が熱くなっていた。
悔しくて悔しくて堪らない…感動したときとは違う思いが飛夏羽の胸を熱くさ
せたのだった。

「ほら、彼女が見てるんだぜ?もっと俺達を楽しませてくれよ、千葉。あの
子、自由に遊んじゃって良いのかな?千・葉・君?」
「…ざけんじゃねぇよ…」
「は?」
「ふざけんじゃねぇって言ってんだよ!」

 優都は地面を殴り、その反動で立ち上がった。

「良いねぇ!やっと火が点いたか!?」

 殴ろうとした翔太の手を優都は受け止め、そのまま翔太を地面に投げ飛ばし
た。

「飛夏羽はお前のおもちゃでも人形でもねぇんだよ!」
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