僕の街には今日も雨(涙)が降る…。
 優都と飛夏羽は、自分の家へとゆっくり帰って行った。
もう夜の9時で、辺りは真っ暗だった。

「…優都…本当にもう大丈夫なの?」

 飛夏羽は心配そうに優都の顔を覗きこんだ。

「うん、大丈夫だよ。」
「そっか…良かった。」
「ありがと…うっ…」
「…優都?」

 優都は胸を押さえ、その場に座り込んだ。

「優都!?」

 飛夏羽は急いで優都に駆け寄った。

 優都は苦しそうな表情で、胸を押さえ、最後に吐血した。

「やだ!優都…血!?」

 飛夏羽は驚いて優都の背中を摩った。
目からは涙が零れ落ち、優都の背中を摩っている手は震えていた。

「…あ…やだな…涙なんて…ごめん…」

飛夏羽は無理矢理涙を拭いて優都の背中を摩り続けた。

 優都は起き上がり血を拭くとそのまま飛夏羽を抱き締めた。

「…優都?」
「泣きたい時は泣けよ。言っただろ?俺が全部受け止めてやるって。」
「…本当に?良いの?迷惑じゃない?また…私の傍から…居なくなったりしない
よね?優都…」

 飛夏羽は目に溜めていた涙がポロポロと零れ出した。
優都は未だに震えている飛夏羽の手を強く握り締め、飛夏羽の耳元で囁いた。

「するわけないだろ?それに、迷惑なわけないじゃん。飛夏羽は俺の大事な人な
んだから。」
「優っ…うっ…うわあああん!」

 飛夏羽は肩を震わせながら優都の胸に飛び込んで泣き始めた。

 止まらぬ涙は飛夏羽の頬を伝い、優都の胸へと零れ落ちて行った。
優都は更に強く飛夏羽を抱き締めた。
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