僕の街には今日も雨(涙)が降る…。
Second

一、季節外れの転入生

「飛夏羽、おっはよ~!」

 飛夏羽が教室に入ると、李麻が飛び跳ねながら飛夏羽の所に来て、飛びつい
てきた。

「お、おはよ…如何したの?朝から…」

 にこにこと笑う李麻の笑顔を見ていると、自然と飛夏羽も笑顔になってい
た。

「あのね~!今日1時間目潰れるの~!」
「…へっ?」

 飛夏羽はきょとんとして李麻を見ていた。

「何か、転入生の紹介があるらしいよ。」

 後ろから純が飛夏羽に話し掛けてきた。

「そうなんだ…ん?」

 飛夏羽は周りを見回してから一時停止した。

「…如何したの?飛夏羽ちゃん?」
「…皆…いないよ?」

 飛夏羽の話を聞き、李麻、純、零の3人は顔が真っ青になった。

「皆もう行っちゃったんだよ!」
「やばいじゃん~!」
「何で朝からこんな目に~!」
「ろくな事なさそう…」

 4人は口々にそう言って、急いで体育館へと走って行った。

 体育館に着くと、まだ教頭が開会の言葉を言っているところだった。

「間に合ったね~。」

 飛夏羽は暢気に笑いながら言った。

「本当。あ、うち純達の所行って来るね。」

 李麻は前に居る純達の所へと走って行った。

「…朝から元気だなぁ、本当に。」

 飛夏羽はクスクスと笑いながら元気に走って行く李麻の後姿を眺めていた。

「絶対来てると思ってた。」

 純の所には、零も来ていた。

「人の事言えねぇだろ~?」
「まぁね~。」

 二人は笑いながら話し、李麻は飛夏羽の所へと戻っていき、零は他の友達の
所へと行ってしまった。

「行っちゃったよ。…で?昨日何があったの?優都君。」
「え?何…って?」

 優都はきょとんとした顔で純を見た。

「もう~、惚けないでよ。昨日飛夏羽ちゃんと二人きりだったんでしょ?
チューとかしちゃった?」

 純はにやけながら優都を問い詰めた。

「そ、そんな事するわけないじゃん。何言ってんの。」

 優都は顔を赤らめて、純から目を逸らした。
そんな優都を見て、純は更に笑っていた。
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