僕の街には今日も雨(涙)が降る…。
「どうせこんな奴、居なくても良かったんだよ。そうしたら優都が虐められなく
ても良かった…分かる?私が居なきゃ優都が苛められる事はなかったの。いっ
そ…こんな事になるんだったら…もっと早く消えて無くなれば良かったのに
さ。」
「…死にたいの?」

 優都は飛夏羽を軽く睨んだ。

 飛夏羽は笑って頷いた。

「そう、死にたいの。優都の居る時代に…私が生まれなければ良かったのにね。
そうすれば…もっと楽しく生きられたかもしれないよ?」

 飛夏羽の言葉を聞いた瞬間、優都は頭に血が昇り、飛夏羽の頬を手の平で殴っ
た。

「好い加減にしろよ!」
「何が?言って何が悪いの?」

 飛夏羽は頬を押さえながら優都を睨んだ。

「生きたくても生きれない人だって居るんだよ!」
「何よそれ…じゃあ私は何!?死にたくても死ねない奴!?…優都は変わった
じゃない…皆、優都が変わって凄いって…だから…私だって自分自身を変えた
かった…こんな風に変わっちゃ駄目なの?如何してそれまで制限されなくちゃ
いけないの!?私の気持ちが…私の気持ちが優都に分かる訳ないよ!」

 飛夏羽は優都を鋭い目つきで睨んだ。

 優都は飛夏羽の目に耐えられなくなり、飛夏羽から目を逸らした。

 しばらく沈黙が続き、飛夏羽は小さく口を開いた。

「…如何して優都は…私にそんなに優しくするの?」
「…そ、それは…」

 優都は顔を赤らめて黙り込んだ。

「…何?」
「…そんなの決まってるじゃん。飛夏羽の事が…好きだから…」

 優都は飛夏羽への気持ちを吐き出し、最後に顔が熱くなった。

 照れながらも一生懸命自分の気持ちを伝えようとする優都を見て、飛夏羽はふ
いに可笑しくなり、立ち上がって優都に抱きついた。

「あ、飛夏羽?」

 急な飛夏羽の行動に、優都は固まってしまった。

「後悔したって知らないから…後で喚くのは優都だよ?」

 飛夏羽は意地悪そうな顔をしながら笑い、優都を見つめた。

「後悔なんかしないよ。」

 優都は首を振っていった。
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