僕の街には今日も雨（涙）が降る…。

「あ、其処の黒髪の子。」
「え？」

　優都は急に李麻の姉に呼ばれて、目を丸くして李麻の姉を見た。

「大丈夫だった？」
「あ、はい。大丈夫です。」

優都は戸惑いながらもゆっくりと頷いた。

「言い遅れたわね、私の名前は渡葉保梓よ。皆、妹の李麻を宜しくね。」
「あぁ～！宜しくしなくて良い～！」
「あ、それよりあの子何処なのよ～？」

　李麻が怒っているのを無視して、保梓は話を続けた。

「あの子って…誰の事ですか？」

　純が冷静に質問を返した。

「あの子よ、あの子。ほら～、髪長くて…細くて…でも背高くて…」
「それって…飛夏羽ちゃんの事？」
「そう、その子よ！何処に居るの！？」

　飛夏羽の話題を聞き、保梓以外全員が俯いた。

「な、何？皆如何したのよ？あ、休み？何だ～。会いたかったのになぁ～。」
「違うよ…」

　李麻は首を振って呟いた。

「じゃあ何なのよ～！？」
「…飛夏羽は…」

　李麻が何かを言い掛けた瞬間、ドアが開いて竜牙が入って来た。

　竜牙は優都に近づくと、白い封筒を無言で手渡した。