僕の街には今日も雨（涙）が降る…。

　そして、飛夏羽と翔太はもう翔太の家の前まで来ていた。

　飛夏羽が中に入ろうとすると、翔太は飛夏羽の手を掴んだ。

「…翔太？」
「今なら…帰れるんだよ？千葉の所…帰りなよ。」

　翔太のいきなりの発言に、飛夏羽は驚いて翔太の方に振り返った。

「何言ってるの！？ここまで来て…今更…それに、翔太はどうなるの！？」

　翔太は飛夏羽から目を逸らし、そっと首を横に振った。

「無理だよ！私、行けない！もう決めたの！優都たちには迷惑掛けないって！」
「行けよ、飛夏羽。戻りな。」

　翔太は飛夏羽の背中を押して、階段を下りさせようとした。

「嫌…嫌よ！」

　飛夏羽は翔太の背中に抱きついた。

「…飛夏羽？」
「無理してるのは…翔太の方じゃない…どうして…」
「…俺は…！？」

　翔太は目を見開いて道路の方を見ていた。

　飛夏羽は翔太を見てから、道路の方を向き、頭の中が真っ白になった。

「…優都？」