僕の街には今日も雨(涙)が降る…。
 それから暫くして李麻達が教室に戻ってきた。

「…優都…帰っちゃったね。」
「仕方ないよ…これじゃあ居ても…」

 李麻と純は同時に溜息を吐いた。

「そんな溜息ばっか吐くなって~。たっく~…」

 零は二人を見て呆れ、窓の方へ歩いて行った。

「…ん?何だこれ?」

 零は近くにあったゴミ箱を漁り、飛夏羽と優都のネックレスを手に取った。

「あ~!」

 李麻と純は同時に叫び零の持っているネックレスを奪い取った。

「きゅ、急に何すんだよ!」
「これ、飛夏羽ちゃんと優都君のだよ!」
「優都が捨てたのかなぁ…」
「明日渡すか…」
「一寸待ったぁ。」

 李麻と純が焦って作戦を立てているのを零が冷静に止めた。

「堂々とゴミ箱に捨ててあったのにさ、それを『はい、落ちてたよ~。』なんて
渡せないっしょ。」
「確かに…」

 全員は黙り込んで考えた。

 こんなにも考えてくれる人が居ると言うのに、何故飛夏羽は素直に助けを求め
ないのだろうか。
優都と飛夏羽の関係は一体如何なってしまうのか。

 考えに考え、李麻はある事を思いついた。

「あんまり役には立たないかもしれないけど…」

李麻は純と零に耳打ちをした。
李麻の提案を聞いた瞬間、二人は指を鳴らして叫んだ。

「ナイスアイディア!」
「そ、そんなに?上手くいくかは分からないけどね…」

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