僕の街には今日も雨(涙)が降る…。
「長居しちゃってごめんね。じゃあまた明日。」

 飛夏羽は鞄を持って立ち上がった。

「気をつけてね。」
「ありがとう。直ぐ其処だから大丈夫だよ。」

 飛夏羽は笑顔を見せ、優都の家を出た。

 少し歩き、途中で立ち止まって飛夏羽は顔を赤らめながら微笑んだ。

「…優都の気持ちと…私の気持ちが繋がってて…本当に良かった。これからも傍
に居させてね、優都。」

 飛夏羽は優都への想いを胸に秘め、一生一緒に居られる様にと願った。

 そして、歩き出そうとすると、飛夏羽の後ろには数人の男子が集まっていて、
一人の男子が飛夏羽の口を塞いだ。

「んっ!…うっ…」

 飛夏羽は声を出せずに、もがいていたが、身動きがとれず、そのまま引き摺ら
れるようにして連れて行かれた。

 この時優都は、部屋の片づけをしていた。

 ふと、部屋の端に目を遣ると、白い携帯が落ちている事に気が付いた。

「…これ…飛夏羽の携帯…無いと不便だよね。」

 優都は飛夏羽の携帯をポケットに入れ、家を出た。

 飛夏羽の家の手前まで来て、優都は鞄が落ちているのを見つけた。
鞄の右端には、自分の高校のログが刺繍されていた。

「…まさか…飛夏羽の?飛夏羽に何かあったんじゃ…」

 優都は急いで飛夏羽を捜しに行った。
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