僕の街には今日も雨(涙)が降る…。
 飛夏羽と李麻は保健室のドアの前に居た。
入るのを戸惑う飛夏羽を押して二人は保健室に入った。

 保健室に入ると消毒薬のきつい臭いが鼻を衝く。

 飛夏羽は鼻を摘んで辺りを見回した。

「…私…ここ入ったの久しぶり…」
「飛夏羽は健康体だもんね~。って今はその事じゃない。姉ちゃん!」
「李麻。…あら!飛夏羽ちゃん!?」
「…え?」

 保梓が飛夏羽を見ようとした瞬間、保梓が飛夏羽に飛びついてきた。

「久しぶり~!綺麗になったわねぇ!」
「…保梓さん?お、お久しぶりです…」

 飛夏羽は多少驚きながらも礼儀正しく挨拶をした。

「さっ、行きましょ。李麻から話は聞いてるから。」

 保梓は机から相談室の鍵を持って来て言った。

「え?話って…あの…」

 李麻を見ると李麻は飛夏羽にウインクをして来た。
飛夏羽は疑問に思ったまま相談室へと連れて行かれた。

 それから暫くして保健室に優都達が入って来た。

「一寸、優都如何したの!?顔色真っ青じゃん…」

 李麻は急いで優都に駆け寄った。

 優都は今にも倒れそうで零と純に支えられて立っているのがやっとだった。

「李麻!姉ちゃんは!?」
「あんたのじゃないでしょ!」
「良いから!」

 李麻は溜息を吐いてから相談室の方を指差した。

 零は「あぁ。」と納得したような顔をして二回頷いた。

「優都君…大丈夫?」

 純が心配そうに優都の顔を覗きこんだ。

「大…丈夫…」

 優都は小さく呟いて頭を押さえるとゆっくり崩れるようにして床に倒れ込ん
だ。

「優都!」

 純は優都を抱き起こして優都の額に手をやった。

「!?凄い熱…何で我慢なんか…」
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