僕の街には今日も雨(涙)が降る…。
 其処へ鞄を持った純と零が戻ってきた。
二人は優都の持っているネックレスを見て驚いていた。

「な、何でそれ!?」
「…李麻?」

 李麻は頷いて「ごめん…」と小さく呟いた。

 優都は何かを決心してネックレスを純に託した。

「…優都君?」
「暫くの間…純が持っててくれる?…俺が…俺の気持ちに素直になれるまで…お
願い。」
「…分かった。」

 純は優しく笑って言った。

「優都君、担任の先生に言っておいたから帰っても大丈夫よ。」
「あ、はい。ありがとうございます。」

 優都はふら付きながら何とか立ち上がった。

「はいよ。」

 零はふら付いている優都の腕を支え、鞄を渡した。

「あ、ありがとう。」

 優都はしっかりと鞄を持ち保健室を出て行った。

「…大丈夫かな。」
「優都君だから大丈夫よ。」

 保梓も優しく笑って言った。

 その中で零と李麻が黙って顔を見合わせていた。

「…何で俺たちに預けてくれなかったんだ?」
「…本当だよね。」

 拗ねている零と李麻を見て純と保梓は顔を見合わせて噴出した。

「な、何?何笑ってんの?」
「わかってないなら良いよ~。」

 純はくすくすと笑って頭にクエスチョンマークを付けている二人を暖かく見
守った。
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