wish-pray-cometrue
「はい、お待たせ」
ジンライムを受け取り口に運ぶ。
「そう言えばもうすぐX'masだね。何か予定はあるの?」
そう聞かれ、少し間をおいたあと口を開いた。
「別に。今年も仕事のつもり。特にX'masに思い入れはないし、過ごす相手もいないしね。」
そう答えると、またお酒へと手を伸ばした。
「そうなんだ。まあ気が向いたら店に顔出しなよ。どうせ暇だろうから。」
そう笑いながら言うマスターに少し微笑んだ。
なんでもない会話をしながら、楽しく飲んでいた時、1人のお客さんが目に入った。
カウンターの端に1人で座っている、自分と同じくらいか、少し若そうな男性。
年下に興味はないはずだが、どうしても気になってしょうがなかった。
「ねぇマスター、あの人は?」
男性に気付かれないようにマスターに耳打ちをする。
「ああ、最近よく来るようになった子でね、確か雪華(せつか)の1つ下だよ。」