いちごみるく
驚いて思わず廊下で叫んでしまった。
「森永持ってないなら圭太に借りれば良かったのに…」
「だって風邪ひかせちゃ悪いし…っ」
携帯を閉じてカバンに仕舞う。
祐一くんは何かを考えるように顎に指を乗せる。
「じゃぁこの傘森永使って!」
「え、無理だよ。そんなの」
いきなり言い出した祐一くんに、断るあたし。
これじゃぁ祐一くんが風邪ひかせちゃうはめになる。
そんなの圭太くんを断った意味ないじゃん!
首を横にブンブン振るあたしを見て、祐一くんは肩を落として諦めた。
「でもこれじゃぁ森永帰れないよ?」
「いつか止むと思うしっ」
「だって嵐直撃してるって今テレビで言ってた」
と祐一くんはワンセグで流している携帯をあたしに見せた。