いちごみるく
祐一くんの言うとおり、あたしの住む場所は台風が直撃して大変な状態だった。
「どうしよう…」
「森永って帰る方向どっち?西区?」
「うん、そうだけど?」
すると祐一くんはふと考えて、あたしの手を引っ張って歩き出した。
「じゃぁ一緒に帰ろ。俺も西区に住んでるし傘二人で入ったら大丈夫でしょ?」
え…まさか相合傘じゃないよね?
それしか考えられない……
下駄箱で靴を履き替えると、祐一くんは既に生徒玄関前で傘を広げて待っていた。
「ほら、入って」
…やっぱり相合傘なんだ。
てか祐一くん無神経すぎる…普通相合傘なんて気まずくならないの?
半強制で入れさせられたあたしは、密着する程祐一くんの横にいてすごく近かった。