I have a teacher☆
そう言うと神谷は教室から走って出て行った。

「待って神谷さん!」

俺もあとを追う。

並原とその彼女はあんぐりと口を開けたまま固まっていた。

「神谷!」

俺はしばらく行ったところで神谷を呼んだ。

神谷はこっちに背を向けたまま立ち止まった。

俺は急いで神谷に駆け寄る。

「はは・・・。すごい早口でまくしたてちゃった・・・。女の子らしく泣いとけば良かったかなぁ・・・?」

そう言って小さなしずくを目元から落とす神谷が愛しくて。

あまりにも愛しくて。

俺は神谷を抱きしめた。

「あたし、決めた」

神谷が俺の腕の中で呟いた。

「は?」

「今ので気づいたの。あたし、やっぱり隼人の事好きじゃなかったみたい」

「そうか」

「だから・・・」

「うん」

「先生と付き合ってもいい・・・?」

「!!本当か!?」

「今朝先生に腕掴まれた時にね、あたし隼人を好きになった時よりもっとこう・・・。ああ、あたしこの人好きだ・・・って思ったの////先生はイケメンだけど、そんなことも忘れちゃうくらいのなにか・・・電気みたいなのがビリッと走って・・・。そんなんじゃ理由にならないかなぁ・・・?」

「直感は正しいことが多いんだ」

神谷は顔を真っ赤にしたままうつむいている。

「じゃぁ京って呼んでもいい?俺も洋って呼んでいいから・・・」

「うん・・・うっ」

神谷はそううなるとその場にしゃがみ込んだ。

「どうした!?」

「わっ忘れてた・・・お腹痛い・・・;」

「はぁ・・・」




その日京は早退した。



いったん教室に戻った俺達は京の荷物を持って昇降口へ向かった。

下駄箱の前で京を見送る。

「洋ちゃん・・・あたしの部屋分かる?」

「うん、隣」

「はぁ!?先生って寮に泊まれんの!?」

「泊まるっつーか、もう住んでるから。ここは先生用の寮が一応いくつか用意されてんだよ」

「そんなことできるんだ・・・」

「ああ。でもめったにないらしいから・・・俺は実家が遠いから特別に」

「そっか・・・って、なんで隣なの!?」

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