I have a teacher☆
「でもさー、なんで愛梨(あいり)チャンが居んのに?」

「ばーか。あいつには男がいんだよ。あいつとはただの遊び」

「え?じゃぁ、今の・・・京チャン?だっけ?あの子が本命なワケ?」

「誰が!あんなウザいの。俺の本命は伊織だよ」

「え~。そんなに遊ぶ女ばっか作ってなにが楽しいのかねぇ・・・」

「伊織が24日のイヴバイトなんだよ。この俺がイヴに女といねーなんてありえねぇだろ?」

「ああ!それでか!って、イヴが終わったらどうすんのよ?」

「適当な理由付けて、捨てる」

「うわぁぁぁ~。お前も酷いことするねぇー」

「あー!マジたりぃ!」

「どうした?」

「京に明日家に行きたいって言われたんだよ。マジ女って意味分かんねぇ」

「それが女心ってものさ」

「浮気の王様がよく言うよ」

「なんだよソレ~。浮気の王様って言っても、今だって12又しか・・・ぐはっ」

「その時点でもう帝王並みだろ」

「いてぇよ隼人ぉー」

「良幸、タバコくれ」

「君、まだ未成年だろぉー」

「同じ歳して何言ってんだ」

「へーいへい」

良幸は渋々タバコを俺に渡した。

俺は良幸のライターでタバコに火をつけて、ゆっくりとふかし始めた。

あー。

マジ女ってウゼぇ・・・。


【京】

「それじゃ、行ってきまーす」

「はーい、気をつけて行くのよ?来週の土曜日はお母さん仕事だから、帰って来てもいないけど、京の好きなシチュー作っておくからね」

「うん。わかった!ありがと♪じゃ!」

「いってらっしゃい」

土日の2連休が明けて、今日は月曜日。

うちは4人家族で、今は家にはお父さんとお母さんの2人。

あたしの学校は全寮制で、土日は家に泊まるようにしてる。

あたしより5つ上のお姉ちゃんは、今は結婚して、旦那さんの卓治(たくじ)さんと娘の日和(ひより)ちゃんと神奈川で暮らしてる。

あたしは走って駅までいくと、今にも出発しそうな通勤ラッシュの満員電車に飛び乗った。

(東京ってなんでこんなに人が多いの・・・)

大きなハンドバッグを抱えた大柄の女性に押しつぶされそうになりながらも、あたしは必死に傍にあった手すりにしがみついた。
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