PEACE
* * *
――ロディスタンに、こんなに大きな屋敷があるなんて、知らなかった。
奈久留は目の前に建つ建物を見て、そう思った。
「ここが、町長さんの屋敷……」
奈久留は不満に思った。
町長の屋敷は、これでもかというほど豪華だったのだ。
瀬梛を助けたあの場所。
街の中心とは違い廃屋の多い場所。
これ程のお金があるのなら、なぜ街の復興に力を入れないのだろうか。
「行くぞ、奈久留」
「あっ、うん」
すでに屋敷に入ったであろう瀬梛を追いかけるようにして、奈久留達は屋敷に忍び込んだのだった。