PEACE
第三話 「歴史の真実」
純白の世界。
見渡す限り、辺りは雪で埋め尽くされている。
「うっわー!!雪だ~!!」
その美しさに感激した奈久留は、まるで幼い子供のようにはしゃいでいた。
ファルコも奈久留の後を追って雪の上を走り回っている。
雪夜はそんな無邪気な奈久留とファルコを見て、溜め息をこぼしつつも嬉しそう
に見つめていた。
――ppp
不意に、雪夜が握りしめていた探知機がなる。
探知機の画面を覗き込んでみると、どうやら現在地の確認が出来たようだ。
「今度は北国の雪村に来たらしいな」
「村って……。人が住んでるようには見えないけど……?」
雪夜の発言に、奈久留は足を止めて辺りを見渡す。
村どころか、周辺には家一つ見当たらず、人の気配すらも皆無だ。
だが探知機は、雪村の人口は1954人と記している。
どこにそんな数の村人がいるのか……。
それどころか、探知機は奈久留達の近くに人がいると警告をしている。
一体、どういうことなのだろうか?
「まぁ、とりあえず歩いてみようぜ!」
「そうだね!」
「キュッ」
悩んでいても仕方がない。雪夜の提案に、奈久留とファルコは迷うことなく言葉
を返した。