千恋 第1部

「ねぇ、圭君のアドわかったぁ?」

…早くしてくれ翔也…。
紗希は会うたびにこの話
「んー、あともぉちょっとかなぁ…」

翔也に頼んでから1週間が過ぎた。
ちゃんと聞いてくれてんのかな?

信じるしかないか…

ふと廊下を見ると翔也と横村君が笑いながら歩いていた。

私は目を疑った。

うそン…

ナイス翔也!!

翔也の外見は横村君とは違うタイプ。

背は翔也の方が少し低い。顔はかわいくもありかっこよくもある…
って何言ってんだ私。
茶髪のちょい横分け気味かな?

すると2人はコッチに気づき近づいてきた。

「あー、唯。横村君とけっこぉ話合ってさぁ、もうかなり仲良くなっちゃったよ!なぁ!!」

翔也は横村君を見て言った。

「おう!」

横村君も楽しそうに笑ってる。

へぇ、なんか翔也にとってもよかったじゃん。
…あ、アド。

紗希は…ってなんかすんごいスイッチ入っちゃってるんですけどーーー!!
そこには目をキランキランに輝かせた紗希がいた。

「横村君!アド教えてくれない?」

…あれっ?あっさり聞けてんじゃん。

私の努力は?

「う…うん、いいよ。」

横村君は少し照れていた。

…なんかもう、その内デキちゃうんじゃない?

紗希と横村君、付き合う日までそう長くないかも…。


こうやって私の周りにちょっとずつ笑顔が増えてゆく。
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