千恋 第1部


窓越しに翔也が私を見つめる…






「…大好きだよ、翔也…いつも素直じゃなくてごめんね…」



聞こえないとわかっているから…言える。

ダメな私。





…ガタン…


動き出す電車…




離れてく距離…





1人にしないで…






私は去って行く電車を少しずつ追いかける。




……次第にスピードを増す電車。






「……翔也…」



もうすぐで見えなくなる…



翔也…

……行っちゃヤダ…











…ガタン…ガタン…







ついに電車は見えなくなった。









「………ッ…」








私は立っている力も抜けて地べたに座り込んだ。





冷たい地べたに…






―ポタッ―




涙が止まらないよ…


ねぇ…

止めてよ……






「……翔也…ッ…」








翔也……
好きすぎてどうしようもないよ…

こんなに好きなのは私だけ?





もっと素直になればよかった…




後悔ばかりが頭をまわる。





「………ヒッ…ク…」












その後も私は…

1人……
誰もいない駅で泣き続けた。









ねぇ、


翔也……


私はちゃんと、


笑えてたかな?




翔也の前で…

泣いてなんかいなかったよね?



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