千恋 第1部
そんな話をしているうちに、駅についた。
今日も駅には誰もいない。
「ぴったりだ…あと少しで電車くる」
それよりあんた顔洗った?
「……お互い勉強頑張ろうね!」
「……唯が心配だぁ~」
…たしかに私は勉強がダメ。
でも頑張るもん!!
「あ、翔也?朝ご飯食べてないでしょ?朝っぱらからキツイかもしれないけど、一応……これ…」
私は昨日作ったクッキーを渡した。
「うをっ!!ありがと!!…手作り?」
「………うん…」
「ありがとう」
まっすぐに伝わる翔也の言葉。
私は少し照れくさかった。