千恋 第1部
それぞれの道
翔也はまた東京に帰った。
私達は違う場所で、それぞれの道を歩いてゆく。
1人残された駅。
「翔也?東京の空はどんななの?」
空を見上げて呟いた。
「こっちの方が…キレイかな?」
まだ翔也の温もりが残る私の手のひら…
忘れない。
忘れる訳ない。
遠距離だってなんだって、乗り越えてみせるよ?
時計は12:00をまわって、町中にお昼をしらせるサイレンが鳴った。