千恋 第1部
季節は秋。
バスを降りると風が冷たく感じた。

私、今日1日翔也を避けていた気がする…。
人目を気にして。

今よく考えるとどうして避けていたのかわからない。

私と翔也はもう友達…。なのになんで避けるの?
友達だから普通に接していいじゃん……。

そっか!そうか!!

私は心の中にあったモヤモヤが一気になくなった気がした。

「唯!今日ウチ来ない?」

あ、翔也…
同じ団地だから降りる場所も一緒か…
遊びの誘い?

「うん!じゃあ行く!!」
どうせ暇だし。

「一旦家帰る?」

「うん…準備できたら行くわ!」

「わかった。」

翔也は違う棟の2階。私は3階。

階段を急ぎ足でのぼり準備をした。
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