千恋 第1部
……気にしない
気にしない。
もう軽く2ヶ月は話してないんだもん。
私は前からまわってきた答案用紙を受け取った。
名前を書いた後、入り口から少し強い風が吹いた。
その拍子に私の答案用紙が飛ばされた。
翔也のもとに…
そして翔也が私の答案用紙をひろってくれた。
「はい。」
「…ありがと」
「…うん。」
………やっぱり…前のようには笑わないんだね。
…もう、全然違うんだね。
テストどころじゃない。
私は確信した。
翔也に彼女がいても…
他の子だけを見てても…
まだ…
私は翔也が好き。