千恋 第1部
帰りのバス、私はいつも
1人で乗る。
窓の外はいつもと同じだけど、今の私には違って見える。
バスを降りると雨が降ってきた。
濡れる!
私は小走りで帰ろうとした時、翔也が半分傘をかしてくれた。
「風邪ひくよ」
「…ありがとう」
いいカンジのトキメキ♪
「お前ん家テレビあんの?」
「は?」
この発言でさっきのトキメキは一瞬にして崩れ落ちた。
あるわ!!
お前は人をバカにしてんのか!!
「天気予報で午後から100パー雨っつってたじゃん」
「知るか!クソ!!」
「うわぁ、女の子がう●ことか言ってるぅ~、やだぁ~キモ~イ」
お前の方が相当キモイ。
「最悪!!」
私は傘から出て雨の中団地へ走った。
最悪!最悪!最悪!
なんだアイツ!!
昨日と態度が全然違う。これからはラブラブライフが待ってると思ってたのに!!
…………ドテェッ。
「痛っ~」
こけた。
…ダサい!!
なんでこけんの!?
ダサすぎる!!
翔也が私に追いついた。
…きっと笑うんだろ…
「笑いたきゃ笑えよ」
何も言わず翔也は倒れてる私を優しく起こした。
「…大…プッ…丈夫?」
今明らかに笑ったよな!!
プッて!!
「滑るから気ぃつけなきゃね」
「……うん」
…泥だらけ
かっこ悪っ。
(もともとかっこよさなどもってない)