千恋 第1部
直基が1番早い。
次に翔也だ。
今のところ私がビリ…
「大丈夫?」
安藤君…
大丈夫じゃないです。
「頑張ってね♪」
おいーーーーーー!!
安藤君はニコッと笑って去って行った。
ぅーーー
もう限界…
「唯!」
翔也が引き返して来てくれた。
「翔也ー!もうダメ!」
そう言って私は地べたに倒れ込んだ。
「俺がかつごっか?」
……直基…
「お前はいい。先に帰れよ」
「あ!大丈夫!大丈夫!私1人で!!」
「さっき大丈夫じゃないって言ってたじゃん」
心配そうに言う直基。
「…行こう」
翔也が私の手をひいて歩く。
「おい、翔也………」
「何?」
「言っとくけど…………
ビリはジュースおごりだぞ!!」
それだけ言い残して、直基は走って行った。