お嬢様制作中?!
「ねぇねぇ、椿君?」
本を読んでいる椿君に話しかけた
眼鏡をあげて、顔をあげた椿君
「なに?」
「あのさぁ、この生活っていつまで続くのかなぁ??」
「それは…。 夏希ちゃん次第だよ。 夏希ちゃんが早く"お嬢様"になってくれたら、すぐに元の家族と暮らせるし…。 "お嬢様"になるまでこの生活は続くよ」
笑顔の椿君…
その笑顔が怖いっす。
なにか、悪意がこもってそうで…!
「"お嬢様"とは、具体的にどんな??」
「ん~…そうだなぁ、僕たちが聞いているのは、"華道も茶道も書道も武道も、完璧で…そして料理も上手"みたいな感じかな?」
「うわぁぁ…いっぱいあるね……。」
気が遠くなりそう…
華道茶道なんてやったことないし!
武道は、柔道を中学生の時体育でちょっとやったことがあるだけだし…
料理なんて……っ!!!
あぁ、父さん、母さん…
あたしは、あなた方二人とはもう一生、一緒には暮らせないかもしれません。