気になるアイツ


「でもこのクラス、ピアノ弾ける子いないらしいよ!」
「ホントにー!?」
「うん!きょーくんが言ってたよー」

"きょーくん"とは関口 恭というクラスのリーダー的な男子。
ちょっと不良入ってるし、あたしは苦手。

…って、そんなことはどーでもよくて!

他に弾ける子いないってなったら、
絶対あたし伴奏になるじゃん…。


「そっか……」

嫌だな…
何であたしがピアノ…。



そしていよいよ、合唱コンの役割を決めることになった。

「実行委員、なるやついるかー?」

ザビエルが声をかける。
しかし、反応する人は居ない…。

「ね、佐倉ちゃん」
「ん?」
「佐倉ちゃんさ、伴奏する!?」
「わかんないけど…立候補いなかったら、するかな」
「じゃあ、あたし指揮者なろっかなぁ!伴奏佐倉ちゃんだし」

いや、まだ決まってないけど…。
心の中で、芽衣ちゃんにそう突っ込みながら
あたしは笑って頷いた。


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