気になるアイツ
下駄箱からは一番近い教室が、
あたしのクラス。
あと3分くらいしかないけど
歩いてても間に合う位置。
どちらにしろ、走れないんだけどね…。
片足を、軽くずりながらも
あたしは教室まで歩いた。
そして、教室に入った――・・・
「あ、おはよ!」
「おはよおーっ」
「おはよう」
一斉に3人に挨拶をされる。
この3人はいつも一緒に行動している、
いわゆる、仲良しグループ。
「おはよっ」
あたしは3人に返事を返す。
「今日遅かったね?」
そう言ったのは…
あたしの、一番の友達であり、親友の…
黒木 里奈。
色が黒いからか、苗字が黒木だからなのか、
みんなからはクロって呼ばれてる。
あたしもそのうちの1人だけどね。
「まあ…ちょっと色々あって!」
翔馬とのことは話さないでおこう。
話してもいいんだけど…
別に、大したことじゃないもんね…?