悪魔な天使

「楠さんと知り合いなの?」

さっきすごい親しそうだったからねー。


「あー親の会社の取引先の社長令嬢。」

楠さんお金持ちなんだ!!
まぁお嬢様っぽいしねー。


「そうなんだぁ」

「気になってたんだ?」

ニヤっと笑いながら近づいてくる爽。


「あーそれはうーん。親しそうだったからさぁーうんっ」

そう言って後退りをしている私

−トン。

嘘っ後ろ壁じゃん。

私はぎゅっと目をつぶる。
「……。」

んっ?

目を開けると誰もいない。
「えっ!?爽??」

私はずかしい人じゃん!あんの馬鹿っどこ行った!!


キョロキョロしていると


「直…。」

声が聞こえたほうを見ると
「翔。なんでいんの?」

「あーちょっとね。」

気まずそうにそういう翔

「楠さんほったらかしていいの。」

こういうときまで素直じゃない私。

「俺楠の事好きじゃないから」

真っすぐ私を見ながら言う翔。

いつもの翔じゃない。
かっこよすぎる。


「俺直の事好きなんだけど」

んっ…????????

何だこの展開。

「ハハッどっきりかなんか?」

この空気に耐えられなくてわざとおちゃらける。

「こんな時にふざけねーよ」

「そうだよね。」
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